2009-04-30

できない

V君と一緒に遊んだあとのこと。
さぁ、そろそろお片付けしよか…と声をかけると、V君はせっせとお片付けを始めてくれました。
この日は粘土を使っていたので、いろいろ使った後の粘土を、一つにまとめてケースに戻します。
お片付けは上手なV君。

二人でそれぞれお片付けをしていると、V君が聞いてきます。
「ねぇ、先生…棚の何番目にあった?」
みると、V君が椅子の上にたって、粘土を棚の上に戻そうとしていました。

粘土が何番目にあったか。
私がとるのをみていたV君が、忘れるわけはありません。
手が届かないので、私に頼んでいるのでしょうか。
言葉もよく知っていて、話すのも好きなV君ではありますが、
スパッと一言で言うのは実に苦手なV君なので、それも十分ありえます。
でも、表情は真剣そのもの。
自分でやろうとしていて、頼んでるようにはみせません。
「年長さんだから」、「お兄ちゃんだから」と、
小さい子の好きな物や小さい子のするようなことを嫌がるV君ですから、必死なのもわからないでもありませんが、しょせん子どもですから、できないことは仕方がない。
「あぁ、いいよ、いいよ。それ、私がするから。」
私は声をかけます。

ところが…。
「…先生、何番目にあった?」
V君はさらに必死な声で聞いてきます。
「V君には、無理だから。先生がするよ。」
なんだか様子がへんだぞ…と思いながらも、とりあえずあっさり言い切ります。
「…先生っ!何番目にあったのっ!!」
それでも、V君は食い下がります。
「先生がするよ!」
「……でもぉ、……だってぇ……、V君が…」
うつむいて、もぞもぞとつぶやくV君。それでも、なんとか椅子からはおりました。

思い切って、私は聞きます。
「V君、できないん、いやなん?」
「うん」
「なんで?」
「だって……V君…できないとぉ……鉛筆投げたり…して…怒られる…」

V君の中では、
数の計算ができないことも、絵本の内容がわからないことも、
手遊び歌で同じように動けないことも、
お母さん役のセリフに何を言えばいいかわからないことも、
お片付け(元にあった場所に戻すこと)ができないことも…。
みんな同じ重さで、「できない」の一括りに分類されているんじゃないかな、と思います。
大なり小なり、「できない」ことは、毎日の生活にはたくさんありますが、
V君は、そんな「できない」ことを、1つ1つ、いっぱい自分の中にため込んで、いよいよ満杯になった時に、爆発してしまうんだろうな、と思います。

ひたすらなんでもできるようにするにしても限界があり、
かといって、こういう分類のまま、ひたすら我慢するだけでも限界があり…。
さて、どうするべきか。
なかなか、思案のしどころです。

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