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2016-06-18

これ誰のん

先日、大阪のある商店街を通り過ぎていたときのこと。

最近ではめずらしくなった、クルクル回る棒のついた床屋さんの前に、
幼稚園年少さんくらいの男の子と、そのお母さんとお祖母さんと思われるご婦人がいました。
お母さんとお祖母さんがなにやらお話ししているそばで、
男の子が突然、お店の前に置いてある自転車をペシペシとたたきながら、
「これっ、他人(ヒト)のん!」
と笑顔で言いました。
話をしていたお祖母さん、じっと真顔で男の子をみて一言、
「お客さんの」
と言って、お母さんとまた、話の続きを始めました。
すると男の子は、今度はお母さんの方をみながら、自転車をペシペシたたいて、
「これぇっ、他人(ヒト)のんーっ!」
とさっきよりちょっと大きな声で言いました。
今度はお母さんが、じっと真顔で男の子をみて、
「お客さんのっ!」
と言って、お祖母さんとまた、話の続きを始めました。
すると男の子、今度はちょっと地団駄を踏みながら、お母さんとお祖母さんをみて、
「これーっ!!!、他人(ヒト)のんーっ!!!」
と大きな声で言いました。
男の子はちょっとベソをかいてるようでしたが、お母さんとお祖母さんは、話をピタッとやめて、
二人そろって男の子を真顔でじーっと、じーっとみて、
「おきゃぁくさぁんのっ!!!」
と、ちょっと強めなところまで同じに、ピシャッと見事に声をそろえて言いました。
ついに男の子は、うなだれて黙り込みました。

男の子は、他人(ヒト)のん、という覚えたての言葉を、使ってみたかったんだろうなぁ…、
へぇ~、難しい言葉知ってるね~、なぁんて、大人がニッコリしてくれるのを期待してたんだじゃないかなぁ…、
なんて思うのですが、お店の中には自転車の持ち主がいますから、
代々その土地でお商売をしているお祖母さんからしたら、ちょおちょお、いくら小さいからってそんな失礼なこと言ったらあかん!、お母さんからしたら、あらあらそうそう、お祖母さんがいうのも、もっともや…、というところでしょう。
お母さんとお祖母さんの阿吽の呼吸で、「教えとかんならんっ!」となった”お客さんの”という言い回し。
男の子も言い続けることをやめたので、なんでかようわからんけど、どうも今は、〝ヒトのん”は言ったらあかんらしい…とはわかったようにみえました。
でもこの間、私が聞いた言葉は、
「これ、他人(ヒト)のん」という言葉と、
「お客さんの」という言葉だけ。
私があれこれ思いを巡らせることができるのは、この3人の視線、表情、動き、口調、間合いを見て・聞いているからで、
こんな風に、子ども達にも教えていけるといいなぁと思うと同時に、
こんな風に学ぶことが子ども達にはとっても難しいことだということを改めて思いました。

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