2016-10-07

あ~りがぁと~!

塾の終わり。
帰り支度を終えた男の子は、きまって事務所まで、好きな本を借りにやってきます。
担当からその日の様子をご報告させていただいて、終わっていよいよ帰るということになると、今度は本を返しにやってきます。
借りるときは、私を通りすぎてしまうこともまだあるのですが、返すときは、今はもう、完璧で、迷わず私のところに来て、トントンと肩を叩いて、私が受けとるまで差し出して待っていてくれます。
もちろん最初は、この返すときも、私を通り過ぎてあった場所に置こうとしていたのですが、繰り返すというのはエライもので、私が本のあった場所へ行くのを阻むようなところに居るときだけでなく、君を本のあった場所に行くことを誰も止めることはできない(笑)というような場所に居ても、「ありがとう」と言いながら返してくれるようになりした。

そんな彼に、9月くらいからちょっと変化がありました。
本を返すときに、トントンがでないことがあるのです。

私がパソコンをみた姿勢のまま、全く顔を彼に向けずに待っていると、
あぁりがぁと~!、と言って本を差し出し(私とパソコンの間には本を差し出すようなことは彼はしてこないので、目の端で捕らえて、差し出したなとわかる感じ、という状態です)、
あれ?と、そのままの姿勢でさらにトントンを待っていると、
あぁりがぁと~!、と言って差し出した本をその場で小さく上下、
えっ?と、いつにない動きに、さらにそのままの姿勢で待っていると、
あ~りがぁと~!、やはり差し出した本の位置はそのままで、少し首を傾げて言ってきました。
さすがにここで、なるべく首を動かさないようにして、目だけをグリッと彼に向けてみましたら、じーっとこちらをみていた彼と目があい、傾げていた首がほんの少し前にゆれました。
そしてあらためて、私が顔をちゃんと彼に向けると、彼またあらためて「あぁりがぁと~」と言って、本を私の方に少し差し出してきました。

なるほどなぁ、と思いました。
物を受け取りにくるときは、それが本だったり、お菓子だったり、お茶だったり、布巾だったり、言うことを変えないといけないのですが、返しにくるときは、本でも、お菓子の空き袋でも、空のペットボトルでも、布巾でも、つねに「ありがとう」。
なので、渡すときに「ありがとう」を言うことも完璧になっていて、「ありがとう」を言えば用事は完了、「ありがとう」と言えば気付いてもらえる、ということが、分かったんでしょうね。
そしてこの、「ありがとう」、
私がすぐに振り向かなかったのに、
声をあらげたりしなかったこと、
足をドンドンするとかの苛立ったような動きをみせなかったこと、
本を机に置いていったり、顔の真ん前に突き出したりしなかったこと、
そんな言葉以外の様子から私は、
ちゃんとみてたんだなぁ、
ちゃんと待ってたんだなぁ、
という気持ちがもてて、とっても心地のよいものでした。

コメント ( 0 )件 | この記事のリンク

  • :    :
    :


  • 管理人だけにコメントを見せる

 |  キッズパワーブログトップへ   | 


この人とブロともになる